2023年7月13日(木)
ソウル市郊外の朝
九州に長雨をもたらしていた台風の影響は韓国にも来ていた。日本でいうエリアメールで、一日中携帯がブーブー鳴った日だった。
おはようソウル市江西区。
商業施設が下駄履きのこの建物には「サイエンスパークビュー」と書いてある。マンション・・・?でもベランダがない。よくわからない。
朝の通勤時間帯。行き交う人々に傘の花が咲き始めていた。
チェックアウト。利便性よく清潔で良いホテルでした。
狭いロビーには売店代わりの自販機。
さて、ホテル前。
昨夜到着した際には暗くて見えなかった鉢山駅界隈。
来るたびに思うが、どうも韓国の乾いた色合いの高層建築物群は癖になる。
紫の地下鉄5号線で、ウルチロサガ(乙支路四街)駅へ。
ウルチロ4ガ駅界隈
今日は雨、それも大雨の予報。弾丸なのに不運過ぎる・・・ということで無理せずアーケードの市場散策を楽しむことにした。目指すは広蔵市場。
ウルチロ4ガ駅5番出口、視界には高層ビル。
とはいえ、駅前は店舗がならび良い風情。
駅のすぐ近くの路地には、機械屋さんというのか工具・工機屋さんというのか、そういったお店が並んでいた。
研磨の音、金槌の音、機械油のほのかな香り。
コン・ユ씨!
さて、大通りの昌慶宮路を広蔵市場方面へ向かって歩く。韓国ではGoogleナビがないので、地図を見ながら自分でルートを選択し歩くことになる。
大通りも機械関係のお店が並ぶ。
自転車に植木鉢。なんだか絵になる。
横路地にも惹かれるが、雨も強いしひとまず広蔵市場を目指す。
見晴らしの良い川に出た。
なんだかちょっと青春。
地図を見ても川の名前は書かれていないが、この視線の方向の先にはNiziUの聖地があるらしい。
広蔵市場
橋を渡るとすぐ、川沿いの路地に広蔵市場の入り口の一つがあるのに気づいた。メインのゲートではなかったが、雨から逃れるためにここから広蔵市場へと入ることにする。
お邪魔します。ここは広蔵市場の南西の角辺り。
衣料品店が多く、お店の中から買い付け中らしい日本語も聞こえた。
衣料品店の谷間に食事の屋台もあり、ワクワクする。
衣料品店がずらりと並ぶ様子、大阪の鶴橋の一角を連想する。
広い通りに出た。これは広蔵市場を東西に貫くメイン通りのようだ。
飲食店や食料品店が多い。
市場に野菜や鮮魚の並ぶ様子が好きです。
トック屋さん。
干物の飾り方が美しい。
「プチョンユッケ(別館)」でユッケと生レバー
ところで、歩いている中でユッケのお店が妙に多いなと気づき、そういえば広蔵市場の地図や情報を見ていた時に「ユッケ通り」という魅惑の路地があるという情報を見たことを思い出した。ユッケ通りは狭く短い路地で確かにユッケ屋さんがずらり、その中にミシュラン掲載のお店「プチョンユッケ」があったが大行列。でもそのプチョンユッケには市場アーケードの外に別館があることを知り、そちらへ行ってみた。
看板の隅に小さく、まさに별관(別館)と書いてあった。
混んではいたがまだ席は空いており、すぐに座ることができた。欲望に任せるままにユッケビビンバと生レバーを頼んだ。生レバーは一人で食べるには量が多いと聞いていたが、直前予習のお陰でこのお店ではハーフを頼むことができることがわかっていた。
野菜たっぷり・・・!ご飯を混ぜ、コチュジャンをかけて存分にいただいた。
久しぶりに食す生レバーもそれはそれは、それはそれは美味!!涙
でもハーフが可能で良かった。これ全量はいかに生肉好きの自分にもちと厳しかったかも。
広蔵市場散策とトッポキ
多幸感に包まれながら、市場散策再開。
なんてフォトジェニックな荒物店・・・!
前方に大勢の人の流れが見えてきた。
ここから先が、広蔵市場情報を探すとよく見られる屋台ストリートのようですね。
屋台が交差する通りの真ん中にどーんと鎮座するフォトジェニックな場所に出た。カメラクルーがいて、取材をしているようだ。
ここ知ってる!WORLD ORDERの「PERMANENT REVOLUTION」で見た!!
1:58!!まさにここじゃないですか!感動。
広蔵市場の名物はと調べると、先ほどいただいたユッケをはじめ、他にもいくつか出てくる。どこの市場もそうなんだろうか?他の市場も巡りたくなってしまう。
まずはこちら、ピンデトッ빈대떡。
ピンデトッは緑豆チヂミのことだそうだ。この交差店にはピンデトッ屋台が何軒かかたまっているようだった。石臼が自動で回っていて緑豆を挽き、アジュモニさんが大きな盥で生地を捏ねている様子も見えた。
美味しいものの溢れるエリアをしばし歩く。
通りの真ん中に屋台、周辺は食堂や商店、という通りが交差して、飽きない。
さすがトウガラシの国。
乾物屋さん。韓国海苔やドライフルーツが並ぶ。
お馴染みのメニューの屋台も多い。こちらはチヂミやマンドゥ。
チャプチェにトッポギ、オデン・・・。
奥にキムパも見える。
昨日機内で隣だった青年も教えてくれたのだが、広蔵市場のもう一つの名物が「麻薬キムパ」。細巻きのキムパで、美味しすぎて麻薬のように中毒性があるということだそう。
こちらのお店にも。
交差点中央の賑わい屋台にもキムパてんこ盛り!
屋台街を鍾路3街駅方面へ向かうと、このようにてんこ盛りの野菜やおかずが並ぶ屋台が続く。
こういう屋台でいただけるのは、カルグクスとポリパッ(麦飯)だそうだ。特に麦飯のビビンバ(このお店にはポリビビンバと書いてあった)は、ヘルシーな大麦ご飯にたっぷり野菜が載って、目にも胃にも優しそう。
皆さん幸せそうに見える・・・。
何か食べたい。でもさっきユッケビビンバという丼飯を食らったばかりで・・・韓国に旅するたびに己の胃のキャパを恨む。
屋台街を少し離れ、散策を続ける。
丸ごと乾燥いちご、よく見る気がする。
こちらは人参屋さんのようだ。高そうだ。
何かメーカーの商品が浮き彫りになった看板。日本でもこういうものを探してい歩いているので、とても嬉しい。
路地を出て屋台街の交差点を何度か通る。相変わらず混み合っている。
渋いオート三輪。
先ほども通った荒物屋さんを別のカメラで再録。
こちらの干物も違うカメラで再訪。
バラエティ番組「賢い農村生活」で、ギョウルのシン・ヒョンビンちゃんがお母さんお手製のキムチを持参してきたシーンがあった。華やかな芸能人の世界でも、手土産に持参するのが有名店のお菓子なんかじゃなく、娘がお母さんのキムチを持参することが自然なことで、それを俳優さんたちが美味しい美味しいと食べている様子がとても印象に残った。発展著しい韓国では女性の社会進出も進み自家製総菜は大変になっていくだろうが、ぜひこの文化を残して欲しいと外野の勝手な感傷を持つ。
衣料品エリアへ戻ってきた。
この一角には懐かしい香りが満ちていた。
樟脳だ。
衣類エリアは観光客も少なく、静かだ。
ドーム状のところに出た。
今になってどこを歩いていたのか確認すると、壁には100年伝統広場・韓服、というようなことが書いてあった。
また食料品の方へ戻っていこう。
あら可愛い、ソジュの栓抜き。
朝鮮人参をはじめとした健康食品屋さん。
繰り返しになるが、ドライフルーツ、とりわけフリーズドライらしきイチゴをよく見た。
ドラマでハルモニのお家で見たようなちゃぶ台。
カルグクスやポリパッの屋台街へ戻ってきた。
食べたいなと思うものの、まだまだお腹がキツくて食べきれる気がしない・・・。
でもさっぱりしたかったので、ミックスジュースを所望。
ドラゴンフルーツ(赤)入りの豪華版。
こちらが麻薬キムパの元祖のお店らしい。昨日機内で隣だった青年も言及していた。
そういえばこの時初めて「ロイヒつぼ膏」という貼り薬を知った。最初その響きに、日本製品を装った海外製品かと思ってしまったが、れっきとしたニチバンさんのロングセラー商品だった。長らく生きてきたが知らなかった・・・。
そしてこのロイヒつぼ膏を実によく見かけた。
歩き疲れて一軒の屋台に入った。ハルモニとアジュモニとお二人で切り盛りする、チャプチェやトッポギなんかが置いてある普通の屋台。広蔵市場で食べるべき名物の屋台ではなかったが、ほっとした。
まずトッポギ、そしてソジュを頼むと、お姉さんに何事か諫言された。驚き呆れ、教え諭すように、トッポギとソジュはダメだと言われる。屋台の他のお客さんにも紹介され笑われてしまった・・・。(おじさんコンビに拍手を受ける。)
しきりに「アンジュ」という言葉が出た。恐らく、日本でいえばビールとライスを頼んじゃったような違和感のようではないかと想像する。(もっとあかんタブーだったらすみません。)そこで気まずさを紛らわそうとタッパルも頼んだ。結果的に大量オーダーになってしまった・・・。
鍾路歩き
さて、雨は強いままだが意を決して広蔵市場を離れた。
広蔵市場はアメ横と姉妹市場らしい。
鍾路を歩く。
郵便局かっこいい。
そうはならんやろ😇
약・・・약・・・약・・・
약=薬。ちくしょう薬局ばかりではないか。©つげ義春
こういうご同業集合の通りやエリアが好きだ。
あれに見えるは教会らしい。
あ、鍾路にも屋台街があるんだ。
宗廟の前を通った。
宗廟(チョンミョ)。以前来たことがあったが、まったく土地鑑の無かった頃。ここだったのか・・・。それもなんと約20年前。
下馬碑!漢字。
大小人員下馬碑、かな?
日時計の台石と書いてあった。
宗廟前。
開発を免れている一角がある。
宗廟前の庭園。
切妻屋根が気になった。
益善洞韓屋村界隈
程よい頃合いに、鍾路から路地へ入る。
なかなかな電線に萌える。
飲食店が多い路地にソン・ソック!
この先、どうやら入り組んだ韓屋村のよう。
まずはひしめき合う焼き肉屋さん。
コン・ユ!
コン・ユとソン・ソック!
ソン・ソック!韓国のビール業界は今、タイプの真逆なこのイケオジ2人が牽引しているようだ。
レトロな韓屋村だが、だいぶポップな進化を遂げているようだ。
韓屋!
オシャレにリノベされた韓屋が多かった。
屋根の造りが興味深い。
飾り瓦、気になる。
入り組み、細い路地。
石の埋まった土壁や土塀が好ましい。(日本でも一部このような文化がある地域があるようですね。瓦を埋めた壁も何か所かで見ました。)
オシャレなんよ。
「福」の字の飾り瓦。最高か。
先ほども見たこちらは何の模様だろう。
この軒の造りも気になる。
ノウゼンカズラの咲く路地。
日本でいう熨斗瓦のようだ。
お住まいだろうか。
雰囲気の良いお店!と思い地図を見たらハルモニカルグクスというお店だった。行けば良かったな・・・。(でもこうして、次行けた時の目的地ができていく。)
迷路のような益善洞を退出。いいなぁ雑居ビル。
床屋さんの切妻屋根も気になる。
鍾路3ガ駅から移動開始。
ミド씨~💛💛💛
永登浦市場(ヨンドゥンポシジャン)
さて、ホテルに荷物をピックアップする前に途中下車したのは永登浦市場駅。
庭かな・・・?
その名の通り市場を擁する駅だそう。
ところが、駅を出ると滝のような大雨。(ここで親切なお父さんが「カバン開いてるぞ」と教えてくれた。ありがたい・・・。)
あかんやろ😇
駅前のドラッグストア。약(薬)の文字は覚えちゃうね。
あっ、オ課長(©ミセン)じゃん!
傘も意味のないキツ過ぎる雨に、観光は諦め空港へ行こうかとも思ったがなんだが悔しい。意を決して駅の屋根の外に出た。
・・・あの薬局さん韓屋で最高に雰囲気あるね。
お向かいの雑貨店も素晴らしい。というかこの交差点皆良い。
あの雑居ビル?集合住宅?も複雑な造り。
横路地のようなところから市場へ潜入。
まずは衣料のエリアに入り込んだ。
ミシンを回すお母さんやお父さんがいた。
雨の影響もあってか人はまばら。
贈答品かな?
ふと、横路地の町名板に日本語(カタカナ)が書いてあることに気づいた。
大雨でなければもっと観光客が来ていたはずだったのかな?
横路地に飲食店ちらほら。
あのコンビニ様商店の前ではお父さん方の角打ちが展開されていた。
この先は別組織の市場だろうか。統一された照明のデザインが違う。
アーケード街は広い永登浦伝統市場の一部に過ぎないようだが、この雨では外は歩けない。次は晴れた日に、お腹をすかせて来たい。
市場を出てさっきの道を戻ると、洋風建築が見えた。
このあたりちょっとストビューが切れていて、足跡がいまいち追えない。
旅のおわり
さて、荷物を取りに鉢山駅まで戻ってきた。地下鉄駅を出たら雨足はだいぶ弱くなっていた。
順調に金浦国際空港へ戻り、搭乗券が雨で濡れミシン目で破れかけていたためできれば再発行してもらいたいと思いカウンターへ行くと、「ここは国内線ですよ」と言われ驚いた。釜山の金海と同じで国内線も国内線も一緒だと思い込んでしまっていた。おまけにターミナル内どこにも国際線という表示がなく、軽くパニックに。昨日復路までチェックインしていたため、ちょっと油断して時間ギリギリに来てしまっていたからだ。
インフォメーションのお母さんにシャトルバスで行くようにと指示をいただき、なんとかリカバー。久々に冷や汗かいた。
国際ターミナルへ着いてしまえばすんなり出国。案外時間もあった。
弾丸なのになぜこんなに早い便で帰らねばならないのか・・・涙。というのも、他にもっと遅い便にも空席があったのだが、逆に遅すぎて関空島から出られなくなってしまうのだった。
結局機材の到着が遅れちょっと手持ち無沙汰。
待ち遠しかった搭乗時刻となり、バスで沖止め先へ。
シャトルバスの一番奥の席、なぜか巨大なぬいぐるみがいた。(多分一番端の席には座るに適さない出っ張りがあったため、着席をブロックしていたのだと思う。)
搭乗。
復路便はまだ明るいし時間もあるしで、窓際の席。
さらば雨のソウル。また来たいなぁぁぁ!
軽機内食。先述の通りLCC便豊富な関空路線ながら時間的な制約で選択肢が他になくわざわざレガシーになってしまったが、弾丸旅なのでこんな小さなことでも自分にとっては大きなイベントとなる。
チキンカツ的なご飯。
どんな炊き上がりでもコチュジャンがあれば無敵。
モニターは懐かしめの解像度。
ただいまー。
帰路は無理せず初ラピートで帰りました。
ちなみにこちらが、この日来ていたアラートSMS。ソウルや近郊あちこちで大変な大雨に見舞われた日だった。
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